小さなミスターがネトゲやリアルで奮闘する御話


by inuis31
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復讐と鬣のロンド 四

 四話 戦争の宴後半


 戦場は相変わらず悲鳴と怒声と鉄が触れ合い奏でる交響曲が響いていた。
 戦いの中。ベゼルは僻地を巡回しながら敵兵を倒していたのだが、
「お前は・・・ ・・・誰だ?」
 渦巻く戦塵の中ベゼルは倒れ伏しているフランを見つけ、抱き起こしていた。
 その二人のすぐ傍には、常人の二・三倍も背丈がある巨大な男が立っていた。
 男は身長と比べれば細身で、黒衣の服を纏い。露出するはずの部分は満遍なく巻かれた包帯に隠されていた。
「殺す奴等に教える名は無い」
 男は顔に巻かれた包帯の隙間から怪しく光る赤い眼でこちらを見据えていた。
 ベゼルは男を一瞥した後、重傷のフランをゆっくりと地面に寝かした。
「別にいいさ。殺した後に調べるからな」
 ベゼルは抜刀した。
「お前にできるかな?」
 男は人形のように顔を傾け可笑しく笑い、手に持つ特注の鎌を握った。
 初めに仕掛けたのは、ベゼルだった。
 剣を地面の上に走らせ、素早い一閃を男の足元から放った。
 男は傾けた頭の方へ身体を倒し、かわした。
 遅れて動いた黒衣の端は剣によって引き裂かれた。
「何故そんなに怒る?」
 男は足に力を入れて倒れる身体を止め。上から鈍重な動きで鎌を振り下ろした。
 ベゼルは咄嗟に盾を構え、身を庇った。
 だが、鎌によってもたらされた一撃は想像以上に重く。ぶつかり合った武具はにぶい音を放ち、周囲にこだました。
 ベゼルは鎌に押されながらも顔を引きつらせ、笑った。
「へっ、相棒がやられて黙ってられるほど利口じゃないのさ」
 ベゼルは盾を斜めに傾け、横に跳んだ。
 対象物を失った鎌は風を切り、刃の半分まで地面に突き刺さった。
「なるほど。つまらん男だ」
 男はゆったりとした動作で地から鎌を引き抜いた。
 べゼルは聞いているのか、聞いてないのか。剣の柄に力を込めた。
 そんなベゼルに、男は再び鎌を振った。
「脇が、がら空きだ!」
 ベゼルは迫る鎌の刃を通り越し、男の無防備な懐まで走った。
 勢いをつけたベゼルの剣は黒衣越しに男の肉を抉った。
「なるほど。筋は良い」
 男は身体に刺さった剣を気にせず、平然としていた。
「だが我には勝てぬ」
 男はベゼルの手と剣を片手で握ると、もう片方の腕で鎌を振り上げた。
 ベゼルは振り上げられる鎌を見上げ、必死に男の手を払おうとした。しかし男の馬鹿がつくほどの握力から逃れる事はできなかった。
「ここで死ね」
 振り下ろされた鎌はベゼルの鎧も肉も骨も関係なく切り裂いた。更に、重い一撃はベゼルの身体をいとも簡単に揺らし、吹き飛ばした。
 吹き飛ばされ倒れたベゼルは身体を強く地面に叩きつけられ、起き上がることができなかった。
「刃を逸らしたのか?」
 男は血の滴る鎌を見ながら、息絶え絶えのベゼルを見て言った。
「急所を狙ったつもりだった。苦しまぬように」
 男は一歩一歩とベゼルに近づいた。
「けれども死ねば、皆同じ!」
 男は鎌を振り上げ、振り下ろした。
 その時、確かにベゼルでも急所を外し生き残ったとしても。次の一撃で死ぬであろうことは分かっていた。それでも生への執着か、はたまた勝負を諦めない意地なのか知らないが避けた。
 朦朧とするベゼルは薄らぐ視界の中、中途で鎌を止める人間の姿を見た。
「戦いとは何が起こるか分からぬのぉ。そうは思わんか、ベゼル」
 筋骨隆々、スキンヘッドに長い白ひげ。そして何よりも着ている服はパンツだけの一張羅の姿。
 ベゼルは顔見知りだけど他人の振りをしたい格好の男が立っていたのに気付いた。
「カール大佐?」
「何!?」
 男は驚きの声を上げ、身体に似合わぬ跳躍力で間合いを離した。
「カール大佐。噂では過去の分からぬネツァワルの国王と古き戦友であり、『英雄の時代』の生き残り・・・ ・・・か」
 男は呟いた後。鎌を下段に構え、大佐に臆せず再び迫ってきた。
「ならば共に死ね」
 男はあえて大佐を狙わず、先にベゼルを倒そうと鎌を向けてきた。既に意識が無いベゼルには、避けられない。
「させると思ったか。若造」
 大佐は回りこみ、自身の両手武器でこれを受け止めた。
 長い柄の先にトゲトゲしい鉄球を持つ『エオスポロス』。大佐はその武器から片手を離すと、男に刺さった剣を捻って抜いた。
「ぐ、お」
 男は痛みで身体を崩し、再び後ろに跳んだ。
 大佐は抜いた剣を倒れているベゼルに返してやった。
「痛いか。今度は痛む暇をやらんぞ。そして、逃げ場もな」
 大佐が言うと、三人を囲むようにネツァワルの兵が近づいてきた。どうやら大佐が共に連れてきたようだ。
「ここは引いた方が得策か」
 男は凄まじい跳躍でオベリスクの上に飛び乗った。
「だが覚えておけ。これはただの序章に過ぎぬ。真の戦いは、これから」
 男は再び飛び退いて、崖の上に降り立った。
「我名はヴァン。エルソード国の兵である。復讐の為に・・・ ・・・また会おう愚か者ども」
 ヴァンと名乗る男は高笑いを残して崖の向こうに消えてしまった。
 





 やっと改稿が終わり、一応新しい話です。
 話は変わって、何やら最近デザインコンテストというイベントらしいきものでFEZは盛り上がっているそうで・・・。
 自分も何か上手な絵が描けたらなぁ orz
 この間猟犬のHPに訪れたときその話題があり、B嬢が上手な絵を描いていました。
 う・・・うらやましい。
 同じ話題の話で意外に絵師的な人が多い事がわかり、それによるとデザインコンテストに提出している方もいるらしい。
 はぁ、絵が上手だったら漫画や小説のさし絵が載せれるのになぁ。

 と、夢物語を言ってもしょうがないので筆力を上げることにしようw
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by inuis31 | 2007-04-26 00:22 | 小説